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アリゾナタウンがゆく! Arizona Town Blog
AZTスペシャルインタビューVol.05 YUMI'S COFFEE/Yumiさん【前編】
12/08/25 10:00
Yumi /
YUMI'S COFFEE
アリゾナタウンがゆく独占インタビュー
Profile
Profile
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- 埼玉県出身。
- 柔道整復師からカフェ店員という異色の経歴を経て、2024年3月、結婚を機にアリゾナに移住。
- 同年10月にDIG IT GARDENSでコーヒーカートをスタート。
- SNSの投稿が話題を呼び、毎週末行列ができる人気店に。
- 夏季休業を経て、10月より再びお店をオープン!
おいしくて 美しい!
――そんな声と共に、アリゾナローカルのSNSで人気を誇るコーヒーをご存知ですか?
その話題のコーヒーを作っているのが、YUMI'S COFFEEの看板を掲げる日本人バリスタのYumi さんです。彼女が作るコーヒーはどれも繊細で味わい深く、懐かしい日本を思い出させてくれます。これまでフェニックスを中心にコーヒーカートを出店し、日本のコーヒー文化を伝えてきましたが、このたび夏季休業を経て10月から新たな場所で心機一転、カートを再オープンすることに。再び注目が集まるYUMI'S COFFEEについて、アリゾナタウンがお話を伺いました。

接客の温かさに
憧れて
コーヒーの道へーー
接客の温かさに憧れてコーヒーの道へーー
Q.
Yumiさんについてお聞かせください。コーヒーとの出会いはなんだったのでしょうか。
実は、最初からカフェで働いていたわけではないんです。高校時代は陸上部に所属していて、その影響で卒業後は専門学校に進学し、柔道整復師として接骨院で働いていました。はじめのうちは、お客様と接することがとても楽しく、やりがいを感じていたのですが、店長を任せられるようになってしばらくしてから、気持ちが沈むことが多くなって……。お客様一人ひとりに向き合うよりも、お店の売り上げや経営のことを優先して考えなければならなくなってしまったからです。そんなある日、仕事帰りにふと通りかかったカフェの前で、ひとりの店員さんがわざわざ外まで出てきて「よかったら中で休んで行きませんか」と、私に声を掛けてくださいました。きっとひどい顔をしていたんでしょうね。でも、その言葉に背中を押されて店内に入ってみたら、お店の雰囲気やコンセプトがとても心地よかったんです。もともと接客業が好きだったこともあり、「自分もこんな場所で働いてみたい!」と思うように。そして、なによりもあのとき声を掛けてくださった店員さんのフレンドリーであたたかな対応に強い憧れを抱いたことが、コーヒーの世界に飛び込むきっかけとなりました。
Q.
柔道整復師からカフェ店員へとは、大胆な転身ですね! では、コーヒーの知識やバリスタの技術は、カフェで働き始めてから身につけたのですか?
接骨院を辞めて後、鎌倉にあるカフェで1年ほど働きました。そのときに、コーヒーの奥深さを知ったというか、自分のコーヒーの淹れ方や知識が曖昧であることに気づいて、もっとコーヒーについてしっかり学びたいと思うようになったんです。それで、藤沢市の辻堂に本店を構えるコーヒーショップ、27 COFFEE ROASTERSの鎌倉店に転職しました。このお店は、スペシャリティコーヒー * の専門店で、オーナーがJBC (ジャパン バリスタ チャンピオンシップ) の審査員をされていたこともあり、その審査基準に則ってバリスタ強化をするようなお店でした。私も入社してすぐに、ドリップ、エスプレッソ調節、ミルクスチーム、そのほかの所作などの特訓を受けました。合格をもらってお客様にコーヒーをお出しできるようになるまでに、3〜4ヶ月はかかりましたね。お陰で、忙しいときでもコーヒーを淹れるクオリティは維持できていると実感しています。
*スペシャリティコーヒー=品質が非常に高く、生産から消費までの全工程で徹底的な管理が行き届いたコーヒーQ.
とても充実した日々を送られていたと思うのですが、何がきっかけでアリゾナへ来られたのでしょうか。
アリゾナには、夫との結婚を機に2024年に来ました。出会いは、働いていたカフェで夫に声を掛けられたことです。私が27 COFFEE ROASTERSに入社したのは2022年。ちょうど新型コロナウィルスが落ち着きはじめた頃で、翌年には状況がかなり安定し、お店にも海外からのお客様が多く来店されるようになりました。夫もそのひとりで、お友だちと一緒にお店に来てくれたのです。最初は「観光で来ているのかな」と思っていたのですが、3週間連続で、しかも毎週末2日間ともお店に足を運んでくれ、最終的には犬も連れてきたのを見て、近くに住んでいる方なのだとわかりました(笑)。でも、私は英語がまったく話せなかったので、接客は留学経験のあるスタッフにお任せし、夫と直接会話をする機会はほとんどありませんでした。そんな中、ある日夫のほうから「犬も連れて一緒に遊びに行きませんか?」と誘ってくれたんです。英語が苦手だったこともあり迷ったのですが、「犬と一緒なら大丈夫かも」と思い、お誘いを受けることに。言葉の壁を感じつつも、Googleの翻訳機能を使いながらコミュニケーションを取ってその日一日を共に過ごしてみたらとても楽しくて! そこから自然とおつき合いが始まり、夫のアリゾナでの就職を機に結婚。2024年3月にアリゾナへ移住することになりました。
夫の後押しで、
アリゾナ到着から
わずか七ヶ月で
コーヒーカート
を実現!
夫の後押しで、アリゾナ到着からわずか七ヶ月でコーヒーカートを実現!
Q.
2024年の3月にアリゾナへ来られたのに、その年の10月にはフェニックスにあるDig It Gardensでコーヒーカートをスタートされているなんて、すごいスピード感ですね!
確かにすごく早いですよね。アリゾナへ来てすぐ、夫から「Yumiは何をしたい?」と聞かれたんです。これまでの経験もあったので、「アリゾナでもカフェで働けたらいいな。でも、自分でお店をやるにしても、英語を習得してからだから5年後くらいかな」と答えたところ、「それじゃ遅すぎる! できることがあるなら、今すぐにやったほうがいい!」と夫に背中を押されて(笑)。それで、最初はコーヒートラックを考えたのですが、運転が怖かったので断念。その代わりに、三輪バイクを使ったコーヒーショップを検討しました。でも、アリゾナ州の法律では実現が難しく、いろいろと調べていくうちに夫がネットで「コーヒーカート」を見つけてくれたので、この形にたどり着きました。出店場所のことなど何も決まっていないまま、とりあえずコーヒーを淹れるための物だけを集めてスタートしたという感じですね。
Dig It Gardensは、植物を探していて見つけました。植物が好きで、園芸店を検索したらDig It Gardensがよさそうだったので見に行くことに。そこでちょうど「Customer Love Event」の開催予告のチラシを見かけて、ガーデンの方に声を掛けてみたんです。YUMI’S COFFEEの紹介カードを作って持ち歩いていたので、それをお渡しして「自分たちもコーヒーカートを出店できますが、参加させてもらえませんか?」って。そうしたら「ぜひ参加してください」とすぐに返事をいただけて、とんとん拍子にイベントへ参加することに。さらに、「よかったら毎週末来てくれていいよ」と言ってくださったので、そのままガーデンでの週末出店が決まったという流れです。
Q.
いつ行ってもお店はローカルの方で賑わっていますよね! アリゾナタウンでも1月にご紹介したMINIの「CARS & COFFEE」のイベントが大好評でした。こちらのイベントには、どのような経緯で出店されたのですか?
実は、Dig It Gardensのスタッフの中にMINIの車が好きな方がいるんです。その方から「テンピにあるMINIのディーラーでイベントを企画しているんだけど、コーヒーカートを出してみない?」と、声を掛けいただいたのがきっかけでした。また、ちょうどその頃、夫がKaoriさんのKomugi Japanese bakeryからクリスマス限定のクッキー缶を購入していて、それがとてもおいしかったんです。すっかり気に入った夫が、「せっかくなら、同じ日本のお店同士で一緒にイベントをやってみたらいいんじゃない?」と提案してくれたので、Kaoriさんもお誘いして共同出店することになりました。MINI好きのスタッフの方も、日本からわざわざMINIの車を取り寄せて購入するほど日本が好きな方だったから、「日本文化がいっぱいでいいじゃん!」と賛同してくださいましたしね。当日は、たくさんの日本人の方が来てくださり、本当に嬉しかったです! これまでDig It Gardensには日本人のお客様がほとんどいらっしゃらなかったので、このイベントを通じて多くの日本の方と出会えたことは、とても新鮮でした。日本人のお客様を引き寄せてくれたKaoriさんにも心から感謝しています。